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谷川俊太郎 空に小鳥がいなくなった日

 空に小鳥がいなくなった日                                 
   
           谷川俊太郎 


森にけものがいなくなった日

森はひっそり息をこらした

森にけものがいなくなった日

ヒトは道路をつくりつづけた



海に魚がいなくなった日

海はうつろにうねりうめいた

海に魚がいなくなった日

ヒトは港をつくりつづけた



街に子どもがいなくなった日

街はなおさらにぎやかだった

街に子どもがいなくなった日

ヒトは公園をつくりつづけた



ヒトに自分がいなくなった日

ヒトはたがいにとても似ていた

ヒトに自分がいなくなった日

ヒトは未来を信じつづけた



空に小鳥がいなくなった日

空は静かに涙ながした

空に小鳥がいなくなった日

ヒトは知らずに歌いつづけた

      「地球へのピクニック」教育出版センター

【 仮定する、仮説で考える 】
※「もしも~~だったら」と考える方法を
「仮定」と言い、そうした話法を「仮説」と呼びます。
こうすることで、
現実の置かれた条件や意味
現実をふまえた未来の姿を
より深く捉えたり。肉付けしたりすることができます。

この詩の特徴は、
各連の奇数行に仮説があることです。
〈ヒト〉の営みが
〈森〉から〈けもの〉を、
〈海〉から〈魚〉を、
〈公園〉から〈子ども〉を、
終いには〈ヒト〉から〈自分〉まで
奪うことを予見し
シニカルに批評します。
終連での〈空〉の〈涙〉と〈ヒト〉の姿の対置も
強い印象を残します。

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テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

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